スカー・ティッシュ―アンソニー・キーディス自伝
スカー・ティッシュ―アンソニー・キーディス自伝
新井 崇嗣 
やっと読み終えた。二段組424ページとかなりのボリュームではありますが、「ドラッグと女性関係」の部分を除けば田舎の求人誌ぐらいの薄さに収まるんじゃなかろうかと思うほどにドラッグドラッグ女ドラッグ女ドラッグの半生。その深刻なジャンキーぶりは予想をはるかに超えるもの。来日公演を数回観ているけども、あんなに元気そうに見えたアンソニーが実は時に生死の境を彷徨うほどの薬漬けだったとは改めて驚きました。そう、メジャーになる前もなってからも、やめてははまりやめてははまりの繰り返し。正直な語り口からはいかにドラッグの中毒性が恐ろしいものであるかが大変なリアリティをもって迫ってきます。「やめようと思えばいつでもやめられる、だが今は自分の意志でやめないんだ」アンソニー同様多くのジャンキーがそう考え、己を正当化しながらずぶずぶと無間地獄にハマっているんだろうなと。読んでるだけで気持ち悪くなるほどに赤裸々な描写が痛すぎる。
個人的にはやはりバンドの人間関係の暴露が一番興味深く読めました。誰にでもフレンドリーに見えるチャドがもっとも自分の世界を守り通す人間だったり、アンソニーに負けず劣らずの壮絶なジャンキーであったジョンの生還等、メンバーだからこその愛憎を含んだ目線で語られます。「BY THE WAY」の制作に入り、一応ドラッグと決別したクリーンなアンソニーとなったところで本書は幕を閉じます。飼い犬を見ると「ハイになりたい」という欲求を抑えられると語っていますが、昨年可愛すぎる息子ちゃんエバリー・ベアくんも誕生しているので今度こそ大丈夫でしょう。どんな立派な更生施設よりも子供の笑顔が効果的なはずです。頑張れ弱虫アンソニー。
- [2008/06/24 10:23]
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月刊『ソトコト』7月号はアイスランド大特集(18曲75分CD付き)
SOTOKOTO (ソトコト) 2008年 07月号 [雑誌]
アイスランドの新進気鋭アーティスト18組(75分)を収録したCD付きでお値段たったの800円!収録アーティストに関する詳細はこちらのICELANDiaレーベルブログでご覧になれます。収録しきれなかったという7曲はこちらのRadio Sotokotoで試聴出来ます。これはおいしすぎる。
- [2008/06/19 22:07]
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走ることについて語るときに僕の語ること / 村上 春樹
走ることについて語るときに僕の語ること
村上 春樹 
村上春樹氏のことを嫌いな人が、その理由のひとつとして間違いなく挙げるであろうこんなタイトルを敢えて付けてくる村上春樹さんが大好きですこんばんは。やれやれ。
岡本太郎熱いまだ冷めやらず状態で、太郎さん(と敏子さん)の著作を8冊続けて読んだらさすがに暑苦しくなってきたそんなところにタイミングよく村上さんの新刊エッセイが出ていたのでクールダウンのつもりで読んだら太郎さんと同じぐらい暑苦しかったよ!という一冊。僕の知る限りここまで正面から「自分」を語ったエッセイはなかったように思う。小説家と並行して25年間も走り続けてきた「ランナー」としての顔も持つ村上さんですが、タイトル通り「走る」ことを軸に、自身の生き様や哲学を語る。その文体から非常にクールな、汗の臭いひとつしない清涼感溢れるイメージの村上さんがまとめて放つ汗臭さ。太郎さんも再三創作(芸術)は誰との戦いでもなく「自分との戦い」だと語っておられますが、そんなイメージのない村上さんもまったく同レベルで自分と戦っている、時に壮絶なまでに。「老いること」へのある種の怯えのような感情も滲ませながら。
僕の考える文学とは、もっと自発的で、求心的なものだ。そこには自然な前向きの活力がなくてはならない。僕にとって小説を書くのは、峻険な山に挑み、岩壁をよじのぼり、長く激しい格闘の末に頂上にたどり着く作業だ。自分に勝つか、あるいは負けるか、そのどちらかしかない。
あれだけの作品を生み出すための、心身両方の「基礎体力」がいかに大切であるかが痛いほど理解出来ました。昨年はじめぐらいから走ろう走ろうと思いつつ、毎日50m歩くか歩かないかの生活を送る自分にも喝が入ったので春からでも走ろうと思う(3年後ぐらいの)。僕も「少なくとも最後まで歩かなかった」と言える人生を歩みたい。
- [2008/02/27 23:08]
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